経皮毒 :コスメとは、単なる化粧ではなく体全体をきれいにすること

経皮毒

いまやコスメ商品といえば、膨大な種類のものが私達の周りに溢れており、価格の手頃なものから高級なものまで、近くのコンビニやスーパーでも手に入れることができます。

ですが、問題点もあります。

例えば、古くに日本で使用されていた白粉は、肌への害から、鉛中毒が問題になったこともありました。

現代では研究が進み、品質も向上してきましたが、やはり肌への問題点は拭いきれないようです。


最近では、「経皮毒」という言葉をよく耳にします。

経皮毒について書かれた書籍も、次々と出版されています。

では、経皮毒とは何でしょう?ここではそれを説明させてもらいます。

経皮毒とは、皮膚から吸収される、有害性のある化学物質のことです。

皮膚は外界から体を防御するバリアなので、通常は何らかの物質が皮膚から容易に吸収されることは無いのですが、実は必ずしもそうではないのです。

例えば金属アレルギーは、汗など微量に溶け出した金属イオンが皮膚を通じて吸収されることによって起こります。

吸収する金属イオンはごく微量なので、通常人では問題がない量なのですが、アレルギー体質の人には皮膚炎を起こす結果となってしまうのです。


では、それを化粧品に置き換えてみましょう。

化粧品には化学物質が多く含まれており、私達はその化学物質を、1日中顔に付着させているのです。

これらが経皮吸収され、長い時間をかけて体内を巡り、体の至る所に溜まって蓄積されていきます。

最近、コラーゲンやヒアルロン酸という言葉を耳にしますが、これらは分子量が大きいので、皮膚表面に溜まっていきます。

逆に分子量が小さい界面活性剤や湿潤剤などは、経皮吸収され、肌荒れの原因になってしまうので、肌荒れを隠す為に化粧をするという、悪循環に陥りやすいのです。


食物や医薬品を口から取り入れる事を経口吸収と言い、経口吸収の場合は、肝臓の代謝酵素の働きで、有害物質を90%以上分解、解毒してくれるのだそうです。

ですが、経皮吸収は、有害なものも全部取り入れてしまうのです。

「美」を求めて使用する化粧品によって、美を損なわれてしまうのは、本末転倒ですよね。

商品が溢れている現代に生きているからこそ、大前提として良いものを選び、肌を守りながら化粧を楽しみたいものです。