化粧のボーダーレス :コスメとは、単なる化粧ではなく体全体をきれいにすること

化粧のボーダーレス

化粧は成人女性だけのもの、という時代は終わりを告げ、近代では驚くほど年齢性別に関係なく化粧を楽しむボーダーレス時代になってきました。

化粧の低年齢化が急速に進み、今では女性は小学生からお化粧していることも珍しくなく、最近は男性でも化粧して綺麗になりたい人が増えています。


一昔前ならば当然のごとく、男性は化粧をする必要がなく、「化粧=女性のすること」と考えられていましたが、今では時代は変わり、その考え方が時代遅れになりつつあるのです。


歴史的にみると、日本人男性が化粧をしていた時代は長く、衣装の男女の垣根の低さということでは歌舞伎や宝塚の例に限らず歴史があり、日本人男性が化粧をしなくなったのは、明治維新の後になってからのことなのです。

富国強兵により男性は兵力とされ、男性の化粧やファッションは否定され、成人女性のみが化粧をし、着飾るようになりました。

お化粧をしたり、綺麗に着飾ったりすることは、女性には許されても、男の化粧はオカマと非難され、男性には許されないこととされていたのです。


ところが時代も移り変わり、最近ではスキンケアを心がける男性が増えてきており、男子生徒にも化粧が普及してきていることから、男子高校生の60%は化粧をしていると言われています。

また、綺麗になりたいと願う男性の間で、エステが繁盛し、ヒゲを永久脱毛する人も増えています。

若い男性をターゲットに、男性用の化粧道具が出現して、ファンデーション、口紅、アイシャドー、アイライン、マスカラ、マニキュア、チーク、まゆを整える道具のセットや男性用パックなどが販売されており、充実した商品から気軽に選ぶことができます。

また、それらはみなコンビニにも置かれているということからも、その需要の多さを感じることができます。


現代の若者達の、バンドブームやビジュアルブームの影響もあってか、女性顔負けの美しいお化粧をした、高校生から大学生の若い男性達をよく見かけます。

レディースジーンズに女性用のブラウスを着こなした中性的な衣装に、眉を剃り、マニキュアを塗り、スキンケアでお肌の手入れが行き届いている・・・ということを見ても、今や男性も化粧することがすっかり日常化した時代になってきているのです。