せっけんの作用方法
せっけんが洗剤として作用するためには、まず、
水に溶けて脂肪酸イオンとNaまたはKイオンに分かれます。
脂肪酸イオンのうち、親油性部分つまりアルキル基が
油などの汚れを取り囲みます。
すると親油性基のまわり(汚れの表面)に
親水性部分(カルボキシル基)がきます。
すると親水性部分と水との結合ができて
汚れが水に溶けたように見える状態になります。
この状態を「乳化」と言います。
このようにせっけんが洗剤として働くのは
脂肪酸イオンの働きによるものです。
しかし、もし水中にMgイオンやCaイオンが存在すれば
それらが脂肪酸イオンと結合して水に不溶性の
脂肪酸MgまたはCaとなり、沈殿します。
その沈殿を業界では金属せっけんと言っています。
(金属じゃなくて金属イオンが含まれているんですが)
すると、水中の脂肪酸イオンの量が減るので、
硬水中できちんと汚れを落とすためにはせっけんの量が増えます。
また、pHが7以下すなわち酸性側では
脂肪酸イオンは脂肪酸になってしまうため、
洗剤としての働きはなくなってしまいます。
(洗剤として働くのは脂肪酸イオンだから)
せっけんが洗剤として働く作用を阻害する
この2つの要因を取り除くために
アルカリ剤や水軟化剤と呼ばれる化合物が配合されています。